We'll keep pushin till it's understood"Badlands"
And these badlands start treating us good
今回紹介するのは、Bruce Springsteenのアルバム、"Darkness On The Edge Of Town"です。
前回のBand On The Runと同様、こちらも最近リマスターされた豪華ボックスが発売されました。
Band On The Runのスーパーデラックスをあきらめたのはこいつのせいだったりします。
こっちのリミテッドエディションについてるDVDがものすごく見たかったんですよ。まだ見てないんですけどね。
それではまいりましょう。
・アーティスト紹介
Bruce Springsteenといえば、やっぱりBorn In The USAのイメージが強烈ですね。僕が初めてBruceを見たのもこの曲のPVでした。こぶしを振り上げて絶叫するBruce、ロックミュージシャンってやっぱりこうだよねなんて思ったりして。強烈でした。でもあの曲のイメージが焼き付いてしまったのも事実なんですよね。あの当時はこんなに真摯なミュージシャンだとは思いませんでした。WikiPediaではこんな風に紹介されています。
アメリカを代表するロックン・ローラー。通称は「ボス(Boss)」。初期の作品においては、青春群像の描写に際立った才能を示したが、やがて社会的なテーマを作品に織り込むことによって、アメリカ民衆の声を代弁する存在へと成長した。ウッディ・ガスリーの後継的な立場にあるアーティストの一人である。
・どんなアルバム?
Darkness On The Edge Of TownはそんなBruce Springsteenの4枚目のアルバムです。まずは簡単なデータから。
発売日 1978年7月2日
最高位 5位(ビルボード)
評価 Allmusic 4.5点
Rolling Stone 5点
・このアルバムの思い出
このアルバムに初めて出会ったのは、中学か高校か。時期はおぼろげですがその時のことはは鮮明に覚えています。最初は隣町の図書館で借りたんですね。Born In The USAがあまりに強烈だったため、あの曲を歌っている人のアルバム、ということで借りてきたのですが、さえない表情のアルバムジャケットから違和感がありました。もっと派手好きな人かと思っていたんですよね。なんだか暗いなぁと。そして印象も良くありませんでした。どうしてものめり込めなかったんですね。今こんなにBruce Springsteenを聞いていることが不思議なくらい。「もうこの人は聴かなくていいや」と決めつけていたくらいですから。今から考えると、歌に込められた感情が重すぎたんでしょうか。子供すぎたということかもしれません。・アルバムレビュー
前作「Born To Run」でようやく大ブレークを果たした後のアルバムということですが、マネージャーとの裁判騒動等もあり3年の期間があいてしまっっています。今回のBox Setにはその期間に録音されていた未発表曲を集めたThe Promiseというアルバムも入っているのですが、そちらはいずれ他の機会でレビューしたいと思います。それでは聴いていきましょう。
収録曲
1. "Badlands"★★★★★
この曲聴くとテンション上がります。今でもちょっと疲れたなぁなんて時にはこの曲聴いて気持ちを切り替えているんですよね。ドラムに続いて始まるイントロ、ちょっと不思議なリズムですがどんどん気持ちが高揚していきます。
2. "Adam Raised a Cain"★★★★☆
軽やかな1曲目から一転重々しいリフで始まるナンバー。ブルースのボーカルもどこか苦しげ。こういうところが最初に聞いたときはダメだったんだろうなぁ。今聴くと裏で鳴っているピアノが非常に良いですね。
3. "Something in the Night"★★★★★
美しいピアノで始まるバラードナンバー。この曲聴いてるとちょっと涙が出そうになってきますね。ほんと素晴らしい曲です。
4. "Candy's Room"★★★★☆
急き立てられるような16ビートのハイハットが印象的。この曲は聴いてると苦しくなってくるんですよね。なんか生き急いでいるような感じがします。
5. "Racing in the Street"★★★★★
この曲はアメリカだなぁ、という感じがします。映像が浮かんでくるというんでしょうか。間奏のキーボードがほんといいんですよねぇ。大好きな曲です。
6. "The Promised Land"★★★★★
名曲ですね。イントロだけでわかります。このアルバムはどちらかというとキャッチーな曲が少ないですけどこの曲はその中のひとつですね。
7. "Factory"★★★★★
どこかのどかな感じのするほのぼのとした曲。なんてことを思ってたんですけど、歌詞読んだら全くほのぼのしてなかった。
8. "Streets of Fire"★★★★☆
重々しいロックナンバー。でも重いだけじゃない何かを感じます。
9. "Prove It All Night"★★★★★
前曲の重苦しい雰囲気をぶち破るイントロ。すごいインパクトだなぁ。今回のアルバムについている解説でこの曲がファーストシングルだったと知ったんですが、それはちょっと意外だったなぁ。
10. "Darkness on the Edge of Town"★★★★★
アルバム最後を飾るタイトルナンバー。構成がちょっと"Street of Fire"に似ている気がしますが、そんなことは気にならないくらい圧倒的な説得力。
総合評価 ★★★★★
全編にわたり重苦しい雰囲気が立ち込めていますね。今回初めて国内盤を購入したので歌詞もちゃんと読んでみたんですけど、どうにもならない自分の境遇を歌ってるような感じですね。雰囲気が重くなるわけだ。しかしながらだからこその説得力なんでしょう。名盤です。